なぜLPだけでは勝てないのか?ミニサイトに移行して成果を伸ばす設計図

Web制作・開発
2026.01.28
LYZON編集部

LPが問題なのではなく、成果の出し方が変化している

「LPを制作し、広告配信で獲得する」という方法は、現在も有効な打ち手の一つです。一方で近年は、次のような課題が現場で増えています。

  • LPのCVR(コンバージョン率)が伸び悩んでいる
  • クリック単価が上がり、CPA(獲得単価)が想定を超え始めている
  • 検討段階で必要とされる判断材料を、LPだけでは十分に提示しにくい
  • SEOでの流入が増えにくく、集客チャネルが拡大しにくい

ここで押さえたいのは、LPそのものが悪いわけではない点です。市場環境の変化により、検討段階で求められる情報量が増えた結果、「1ページで結論に寄せる設計」だけでは対応しにくいケースが増えています。

本記事では、LPで成果が出にくくなる要因を整理したうえで、次の選択肢としてのミニサイト移行を、実務で使える形の「設計図」としてまとめます。

目次

    そもそも、なぜLPだけでは成果を伸ばしにくくなるのか?

    LPは「訴求点を絞って、短い導線で意思決定を促す」ことに強みがあります。一方で、検討期間が長い商材やBtoB領域では、次の論点がボトルネックになりやすい傾向があります。

    理由1:判断の根拠が不足しやすい(信頼形成の不足)

    LPは結論を先に提示しやすい反面、情報が圧縮されます。しかし比較検討の段階では、ユーザーは「判断の根拠」を求めています。例えば次のような確認項目です。

    • 依頼先として信頼できるか(実績・体制・進め方)
    • 他社との違いは何か(比較軸が明確か)
    • どこまで対応可能か(支援範囲・責任分界)
    • 失敗を避けるために何を確認すべきか(注意点・判断基準)

    この根拠が不足すると、興味喚起はできても、最終的な問い合わせ・資料請求に至りにくくなります。

    BtoBでは、社内稟議・複数部署の合意形成が前提となることが多く、検討者はLPだけで判断しません。少なくとも次の情報を確認しながら意思決定します。

    • 事例
    • FAQ
    • 体制(役割分担・進行管理)
    • 進め方(導入の流れ・期間)
    • 費用感(決まり方・前提)

    これらをLPに集約すると、論点が混在して読み取りにくくなり、結果として比較で不利になりやすくなります。

    理由3:検索意図が分岐する(検索意図のカバー不足)

    BtoBの検索は、検討フェーズごとに意図が分かれます。代表例は次のとおりです。

    • 費用の考え方を知りたい
    • 要件(SSO、権限設計、セキュリティなど)を確認したい
    • 導入の流れや期間を知りたい
    • 事例や実績を確認したい
    • 比較ポイントを整理したい

    LP1ページでこれらすべてに答えようとすると、論点が混在し、訴求点が明確になりにくくなります。その結果、必要な情報に到達できないまま離脱される可能性が高まります。

    そこで選択肢になるのが「ミニサイト」

    ミニサイトとは、特定テーマに関する情報を複数ページで体系化した小規模なサイトです。

    • LP:1ページで訴求点を絞り、広告流入での獲得に向く
    • ミニサイト:複数ページで比較検討を支え、信頼形成とSEOに向く

    ミニサイト化により、検討段階で必要とされる情報を整理して提示しやすくなります。主な利点は次の3点です。

    1. 流入の入口が増える(検索意図別のランディングページを用意できる)
    2. 深掘りできる(要件・事例・FAQ・比較など、判断材料を分解して提示できる)
    3. 回遊が促進される(関連ページへの導線で、検討を前に進めやすい)

    つまり、LP単体では不足しやすい「信頼形成」「比較検討」「検索意図の分岐」を、サイト構造で補完できます。

    ミニサイトに移行すべき判断基準5つ

    次のうち2〜3項目に当てはまる場合、ミニサイト化を検討候補に入れる価値があります。

    判断基準1:LPのCVR改善が伸び悩んでいる

    A/Bテスト(文言や構成の比較テスト)やクリエイティブ改善を実施してもCVRが改善しない場合、訴求の問題ではなく「判断材料の不足」がボトルネックになっている可能性があります。

    判断基準2:広告CPAが上昇傾向にある

    クリック単価の上昇により、LP改善だけではCPAを吸収しにくい場合があります。この場合、広告依存の獲得構造から、SEOや指名流入、営業資料としても使えるコンテンツ資産へ配分を移す判断が必要になります。

    判断基準3:問い合わせ前の確認事項が多い商材である

    高単価、長期検討、BtoB、稟議ありといった条件では、確認項目(費用、体制、セキュリティ、導入手順など)が増えます。1ページだけでは懸念点を解消しにくく、比較検討に必要なページ分割が有効になります。

    判断基準4:検索意図が複数に分かれている

    「費用」「要件」「導入フロー」「運用体制」「セキュリティ」など、論点が複数ある場合は、意図ごとにページを分けたほうが、必要情報に到達しやすくなります。

    判断基準5:営業現場で前提説明が繰り返されている

    商談の多くが基本説明に費やされ、同じ質問が繰り返される場合、Web側で判断材料を先に渡せていない可能性があります。ミニサイトで「検討の共通前提」を整備すると、商談を課題整理や要件検討に使いやすくなります。

    設計図:ミニサイトの最小構成

    ミニサイトを最初から網羅的に整備しようとすると、制作工数が増加し、公開までのリードタイムが長くなりがちです。まずは、比較検討に必要な情報を最低限そろえた最小構成で立ち上げ、運用しながら段階的に拡充する進め方が現実的です。

    最小6ページ(基本セット)

    1. トップ:対象ユーザー/提供価値/解決できる課題の整理、CTA(問い合わせ・資料請求)
    2. サービス詳細:支援範囲、強み、対応可能範囲・対応外の範囲(責任分界)
    3. 事例:1件からでも可。可能であれば「課題→設計→実行→運用」の流れが分かる形にする
    4. 費用の考え方:費用が決まる要因、前提条件、見積もりの出し方、目安の提示方法
    5. よくある質問:検討時に発生しやすい懸念点を、質問形式で整理して解消する
    6. 導入の流れ:期間、体制(役割分担)、進め方、意思決定の節目

    この基本セットに加えて、検索意図に合わせた子ページを段階的に追加します。代表例は「要件(SSO/権限設計/セキュリティ)」「比較ポイント」「運用体制・保守範囲」です。まずは影響が大きい順に優先順位を付けることを推奨します。

    運用設計のポイント:流入→回遊→問い合わせにつなげる

    1)入口ページは「検索意図」で設計する

    プロダクト名だけでなく、ユーザーが検索する「課題・要件」の切り口で入口ページを設計します。例として、次のように要件単位で分けると、流入後に必要情報へ誘導しやすくなります。

    • 会員サイト SSO
    • 会員サイト セキュリティ
    • 会員サイト CMS選定

    2)1テーマを複数ページで分解し、検討の順番に合わせて配置する

    運用現場では、ユーザーの検討は一方向に進みません。例えば「要件確認→比較→費用→導入→運用」と進むケースもあれば、「事例→体制→導入→要件」のように逆順になることもあります。

    そのため、1ページに集約するのではなく、ページ群として分解し、どこから入っても次の検討に進める導線(関連ページ・FAQ・事例へのリンク)を用意することが重要です。

    3)計測は最初に設計し、改善できる状態を作る

    ミニサイトはページが増える分、改善ポイントを「どこで落ちているか」で特定しやすくなります。計測では、単にPVを増やすのではなく、どの入口から、どのページを経由し、どのCTAに到達したかを追える設計にすると、改善の意思決定が早くなります。

    • 入口ページ別の流入(どの検索意図が多いか)
    • 回遊(事例・FAQへの到達率、主要ページの遷移)
    • CTAクリック率(ページ別・導線別)
    • CVR(問い合わせ/資料ダウンロードなど、成果地点別)

    LP単体で伸び悩む場合は、構造を変えて成果を伸ばす

    LPで成果が出にくくなる要因は、LPの品質だけで説明できないことが増えています。信頼形成、比較検討、検索意図の分岐が進み、1ページだけでは情報提供が不足しやすくなっているためです。

    • CVRが伸び悩んでいる
    • CPAが上昇傾向にある
    • 検討期間が長く、確認項目が多い
    • 検索意図が複数に分岐している
    • 営業での前提説明が繰り返されている

    当てはまる場合、LP改善を継続するだけでなく、ミニサイトへ移行して成果を伸ばす設計に切り替える選択肢を検討する価値があります。

    「自社の場合、LPを残すべきか/ミニサイトへ切り替えるべきか判断材料が不足している」「最小構成6ページの考え方は理解したが、どの順番・どのテーマから着手すべきか整理できていない」といった段階でも問題ありません。状況によっては、LPを撤廃せずに、LPを活かしながらミニサイトを段階的に立ち上げる移行案も設計できます。

    相談時に一緒に整理できること(例)

    • 現状の棚卸し(CVR/CPA、流入チャネル、検索意図、営業で頻出する質問)
    • 非機能要件の整理(計測設計、運用体制、更新フローの前提)
    • 方式選定の判断材料化(LP継続/ミニサイト併用/段階移行の比較)
    • 移行ステップ設計(最小構成→拡充の優先順位、テーマ設計)

    検討初期の段階でもご相談いただけます。社内検討を進めるための整理資料としても活用できる形で、判断軸と進め方を具体化します。

    LPとミニサイトに関するよくある質問

    Q1. LPが悪いわけではないのに、なぜ「LPだけ」だと成果が伸びづらいのですか?

    近年は検討段階で求められる情報量が増え、「1ページで結論に寄せる」だけでは信頼(納得材料)・比較検討・検索意図の枝分かれをカバーしにくくなっています。結果として、CVRの頭打ちや広告費の高騰、判断材料不足、SEOで入口が広がらないといった課題が起きやすくなります。

    Q2. 記事でいう「ミニサイト」とは何ですか?LPとどう違いますか?

    ミニサイトは、1テーマを複数ページで束ねた“小さなメディア”です。LP(1ページで結論に寄せる)に対して、ミニサイトは比較検討を支える構造を持てるのが特徴です。意図ごとにページ化して入口を増やし、要件・事例・FAQ・比較などを深掘りしながら回遊を生み、検討を前に進めやすくします。

    Q3. 「LP改善を続ける」か「ミニサイトへ移行する」か、どう判断すればいいですか?

    CVR改善が頭打ちになっている、広告CPAが上がり続けている、確認事項が多い商材(高単価・長期検討・BtoBなど)である、検索意図が枝分かれしている、営業の説明コストが高い――といった状況が重なる場合は、ミニサイト化を検討する価値があります。なお、LPを捨てるのではなく、LPを活かしつつ最小構成でミニサイトを立ち上げ、段階的に拡充する進め方が現実的です。