アプリ・システム開発
Webアプリケーションの多言語対応について
ビジネスのグローバル展開を進める企業にとって、コーポレートサイトやサービスサイトといったWebサイトだけでなく、Webアプリケーションの多言語対応が求められてきています。BtoB向けの業務支援ツール、データ連携型アプリ、社内外のSaaSなど、複雑な構造を持つWebアプリケーションにおいて、利用者の国や言語に合わせたUIやメッセージ表示はユーザー体験に直結します。
静的なWebサイトとは異なり、Webアプリケーションでは以下のような多層的な言語対応が求められます。
- ボタンやメニューなど、インタラクティブなUIコンポーネント
- サーバーやクライアントサイドで生成されるエラーメッセージや通知
- 外部システム連携により動的に生成されるデータ
- フォームバリデーションメッセージやシステムログ出力
これら全てにおいて多言語化を正確に実現し、さらにその更新や管理を効率的に運用するには、高度なCMS設計や構築、それに伴って専門的なノウハウが必要となります。
Webアプリケーションにおける多言語対応の課題とは?
Webアプリケーションの多言語化には、いくつかの特有の課題があります。
言語ごとの管理コスト増大
一般的なCMSでは、言語ごとに管理画面が分かれる形で構築されることが多く、多数の言語を扱うほど導入費用や運用負担が増加していきます。特にWebアプリケーションはログイン制御やAPI連携など、複雑な機能を扱うことが多く、アプリケーション固有のロジックを各言語ごとに複製・対応させる必要があり、初期開発・保守ともにコスト増の要因になります。
更新・翻訳の煩雑さ
日々更新されるUI文言や業務メッセージをすべての言語で一貫して保つのは容易ではありません。翻訳漏れ、整合性の崩れ、タイムラグによるUX低下といったリスクが常に伴います。
法規制への対応(GDPR・リージョン制約)
欧州をはじめとする市場では、個人情報保護規制(GDPR)やデータの保存地域(リージョン)指定が求められます。多言語対応と並行して、これらの要件をどうクリアするかも重要な論点です。
LYZONが提供する多言語Webアプリケーション開発におけるバリュー
LYZONは、エンタープライズCMS「Sitecore」の国内有数の実績を誇る開発パートナーです。多数の多言語対応の実績とノウハウを活かし、Webアプリケーション開発における多言語対応の課題に対して、以下のようなバリューを提供します。
多言語化に最適化された情報設計とUI構築
静的コンテンツだけでなく、フォーム、通知、アラート、ダッシュボードといったインタラクティブなUI要素までを対象に、Sitecoreの辞書機能や言語バージョン管理などを活用。言語によるレイアウト崩れや翻訳漏れを防ぐフロントエンド設計を実現します。
高精度かつ効率的な翻訳ワークフローの構築
翻訳作業を手作業ベースからワークフロー化・自動化を図ります。SmartlingやDeepLなどの翻訳サービスとの連携を前提とした設計により、翻訳依頼・納品・反映を効率化。作業者の負担軽減と品質管理の両立を支援します。
バージョン管理とパーミッション制御による品質担保
誰が、いつ、どの言語に対して、どのような編集を行ったのかを可視化し、レビュー・承認フローを構築。エンタープライズ向けのガバナンス要件にも対応可能です。
グローバル展開を見据えたGDPR・リージョン対応支援
Sitecore Experience Cloudを用いたクラウド基盤の柔軟なリージョン選択や、同意管理の導入支援を通じて、GDPRなどの各国規制への準拠も支援します。
LYZONが提案するSitecore活用イメージ
Webアプリケーションにおける多言語対応は、複雑でコストがかかる領域と思われがちです。しかし、Sitecoreを活用することで、その多くの課題を効率的に解決することが可能です。
多言語対応に必要な仕組みが最初から備わっている
Sitecoreには、「言語バージョン管理機能」や「翻訳サービス連携機能」などが標準で搭載されています。そのため、多言語対応のためのこういった仕組みを一から開発する必要がなく、初期構築や将来的な運用コストを大幅に削減できます。
UIと業務ロジックを分離し、柔軟なアーキテクチャを実現
Sitecoreは、UI(表示される画面や文言)と業務ロジック(データ処理や外部連携など)を明確に分離した構成で開発できます。
これにより、ロジック部分に手を加えることなく、UI側だけで言語追加や修正が可能になります。既存システムへの影響を最小限に抑えながら、スムーズに多言語化を進めることができます。
多言語化のハードルを下げ、将来の拡張にも柔軟に対応
上記2つの理由により、言語の追加が簡単で、管理や運用も効率的に行えるため、多言語展開のスピードと柔軟性が飛躍的に向上します。新たな国・地域への進出時、ビジネスの成長とともに自然にスケールできる構造が手に入ります。
Webアプリケーションを0から多言語しようと思うと、様々な考慮や開発が必要ですが、Sitecoreを利用することで多言語対応の考慮が大幅に減るため、より簡単に多言語対応したWebアプリケーション開発をすることができます。
多言語対応に必要な、言語バージョン管理や翻訳サービスとの連携などはSitecoreに標準で備わった機能を利用します。
また、画面のUIと、サーバーサイドの業務ロジックを分離して開発できるため、柔軟な開発が可能となります。
このように、Sitecoreは「開発・運用コスト」「拡張性」「運用効率」といった多言語対応における課題を解決し、Webアプリケーションのグローバル対応を強力にサポートします。
ただし、Sitecoreのポテンシャルを最大限に引き出すには、業務要件やシステム構成を的確に捉えた設計と実装が欠かせません。 LYZONは、Sitecoreを活用したWebサイト、Webアプリケーションにおける多言語対応の豊富な実績とノウハウを活かし、お客様ごとに最適化された多言語対応アーキテクチャをご提案いたします。
まとめ
Webアプリケーションの多言語対応は、企業のグローバル戦略を支える基盤です。LYZONでは、Sitecoreの豊富な機能と当社の実装・運用ノウハウを活かし、開発段階から運用フェーズまで一貫した多言語化支援をご提供します。
グローバル展開におけるWebアプリケーション構築でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。