デジマは「順番」で決まる:90日で迷いを消すロードマップ
「広告を追加する」「SEOを強化する」といった施策が増えているにもかかわらず、リード数・商談数・受注数が伸びない場合があります。こうした状況では、施策の量を増やすよりも、現状に合った実行の順番と判断基準を整えることが重要です。
本記事では、現状整理から改善までを90日で回すロードマップとして整理し、社内の合意形成に使える形でまとめます。
目次
90日ロードマップの考え方:施策を増やす前に前提を揃える
成果が伸びないときに起きやすいのが、「新しい施策を追加する」判断です。ただし、入口(流入)だけを増やしても、比較・検討の判断材料や、検討を前進させる導線が不足していると、問い合わせの質が揃わない/商談化しない/関係者調整が増えるといった形で非効率が表面化します。
本ロードマップは、整理 → 仮説 → 最小実装 → 改善の順で進め、少ない工数でも回る運用プロセスを標準化することを目的とします。ここでいう「最小実装」とは、全チャネルを網羅することではなく、判断材料と導線が欠けない最小構成を指します。
0〜2週:現状把握(数字・意思決定・失注理由を揃える)
1) 数字を棚卸しする(チャネル別に分けて傾向をつかむ)
まずは、可能な範囲で流入 → CV(問い合わせ等)→ MQL → 商談 → 受注をチャネル別に整理します。
MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティング起点のリードのうち「商談化の可能性がある」と判断した状態を指します。
完璧な計測がなくても問題ありません。広告管理画面、アクセス解析、MA/CRMなど、今ある情報を突合し、大まかな傾向を把握します。
- 広告:クリック数からCV、MQL、商談までの移行率(歩留まり)を確認します
- SEO:流入増減だけでなく、商談・受注に寄与するページ(入口・比較・事例など)を特定します
- SNS:指名検索数の増加、再訪率の改善、資料請求・問い合わせの補助要因になっているかを確認します
2) 意思決定を棚卸しする(誰が、何を根拠に合意するか)
BtoBでは、意思決定の構造(関与者と判断軸)が成果に直結します。現場担当、決裁者、IT部門など、関与者ごとに次を整理します。
- 不安点(例:費用、進め方、体制負荷、セキュリティ、責任分界)
- 合意の根拠(例:導入事例、比較表、要件一覧、見積もりの前提、運用体制)
3) 失注理由トップ3を確定する(次に作るべき判断材料を決める)
「価格」「比較で負ける」「稟議で止まる」など、失注理由をトップ3に絞ります。ここが決まると、次に用意すべきコンテンツ(判断材料)と、改善すべき導線が明確になります。
失注理由は、営業メモやCRMの項目が不十分な場合でも、まずは案件10〜20件程度を対象に棚卸しすると、典型パターンが見えやすくなります。
3〜6週:成果仮説を立てる(獲得と育成を役割で分ける)
次に、施策を「役割」で分解します。ポイントは、獲得(入口)と育成(比較・検討の前進)を分け、どこにボトルネックがあるかを固定することです。
- 獲得:広告、SEO、SNS、ウェビナーなど、流入や新規接点を増やす施策
- 育成:比較・検討を進める施策(事例、FAQ、選定ポイント、進め方、資料、メール等)
典型的な分岐(原因により、優先順位が変わる)
- 問い合わせ数が不足している:入口の設計(ターゲット・訴求・配信)と、入口コンテンツ(LP/記事)を優先します
- 問い合わせはあるが商談化しない:比較・検討の判断材料不足、期待値の不一致、対応範囲の不明確さを疑い、育成側を優先します
- 商談はあるが受注しない:失注理由トップ3に沿って、要件提示・運用体制・責任分界・価格の前提説明を補強します
仮説の例:
「問い合わせ数はあるが商談化率が低い」→「比較・検討の判断材料が不足している」→「事例と選定ポイントを整備し、相談導線(入口)を統一する」
7〜10週:最小実装(判断材料と導線を欠けさせない)
1) 問い合わせ導線を整備する(相談の入口を明文化する)
LPとフォームを用意するだけでは不十分です。少なくとも次を明文化し、「誰が何を得られる相談か」を揃えます。
- 対象者(例:担当領域、課題、想定規模)
- 相談で分かること(例:進め方、概算スケジュール、対応範囲、必要な体制)
- 相談前に準備すると良い情報(例:現状のKPI、失注理由、体制)
2) 比較・検討コンテンツを揃える(判断軸を提供する)
BtoBでは、比較・検討の判断材料が不足すると、検討が止まりやすくなります。最小限でも次を整備すると、広告・SEOの効率改善につながります。
- 事例(前提条件と成果の出方が分かる構成)
- FAQ(費用感、進め方、対応範囲、体制、セキュリティ等)
- 選定ポイント(判断軸とチェック項目)
- 料金の考え方(見積もりが変動する要因を明示)
- 進め方(導入ステップと役割分担)
3) 育成導線を作る(接点を商談につなげる)
すぐに相談に至らない層に対しては、資料請求後のフォローや、検討段階に応じた情報提供で前進を促します。重要なのは配信量ではなく、次に何を判断できるようにするかを揃えることです。
11〜12週:改善(ボトルネックを特定し、判断材料を更新する)
追うべき指標はPVやCVだけではありません。MQL率、商談化率、失注理由の変化を見ながら、どこで停滞しているかを特定し、改善します。
改善例:商談化率が低い
想定される要因
- 相談前の不安(費用感/進め方/対応範囲)が解消されていない
- 相談の期待値(何が分かるか)が揃っていない
改善方針
- LPで「相談で分かること(成果物)」と「対象者」を明示します
- 事例・FAQ・進め方ページをセットで提示し、判断材料を不足させない導線にします
90日で迷いを減らし、再現性を高める
2週で棚卸し、4週で仮説、4週で最小実装、2週で改善という順番で回すと、「次に何を判断し、何を整備するか」が明確になります。その結果、社内合意が進みやすくなり、四半期ごとの見直し(更新)にもつなげられます。
ご相談:検討初期の段階から対応可能です
LYZONでは、現状の数値、失注理由、体制をヒアリングしたうえで、次のような観点から貴社版の90日ロードマップに落とし込むご支援が可能です。
- 現状整理(KPI・計測・チャネル・導線の棚卸し)
- 失注理由と意思決定構造の整理(判断軸・必要コンテンツの明確化)
- 90日ロードマップの設計(優先順位、実行ステップ、評価指標の定義)
- 最小構成で回る導線設計(入口/比較・検討/育成の整備)
「まずは現状を整理したい」「判断材料を揃えたい」といった検討初期の段階でもご相談いただけます。お問い合わせよりご連絡ください。
90日ロードマップに関するよくある質問
Q1. 90日で成果を出したいとき、なぜ「施策をとりあえず足す」のはNGなんですか?
入口(広告・SEOなど)だけ増やしても、比較材料や育成が不足していると「無駄打ち」が増え、成果が伸びにくくなります。 単発施策で偶然当たることは稀で、基本は施策の組み合わせ(例:オフライン接点→検索→Webで刈り取り)で再現性を作る発想が重要です。 まずは現状の導線や情報設計を整理し、仮説→最小実装→改善の順で回すことで、90日でも手応えを出しやすくなります。
Q2. 広告費が高騰している今、90日ロードマップでは広告をどう位置付けるべきですか?
広告は「獲得」の入口として有効ですが、まずはクリック→CV→商談の歩留まりを棚卸しし、詰まり(比較材料不足・相談時の期待値ズレなど)を先に解消するのが効果的です。 クリック単価が上がるほど、広告だけで勝つのは難しくなるため、SEO・会員・コンテンツなどの資産づくりも並行し、短期は広告で検証しつつ中長期の伸び代を作る配分が現実的です。
Q3. SEO(特にロングテール)は、90日でどこまで成果を期待すべきですか?
ロングテールSEOは検索数が少なく、成果が出るまで時間がかかるため、90日で「売上まで」を無理に追うより、勝ち筋仮説→最小実装→改善が回る土台作りを目標に置くのが現実的です。 90日内は、競合が少ないのにニーズがある領域を見つけて記事・導線を出し始め、あわせて比較・検討を後押しする情報(FAQや事例、選び方など)を整備して商談化率の改善まで見にいくのが相性の良い進め方です。
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