デジマがうまくいかない最大の理由は「施策」ではなく「設計」だった
「広告を出稿しているのに問い合わせが増えない」
「SEO記事は増えたのに商談につながらない」
デジタルマーケティングの成果が伸びないときは、施策(広告、SEO、SNSなど)の追加や入れ替えに意識が向きがちです。しかし、成果の差を分けるのは、施策そのものの優劣だけではありません。多くの場合は、全体の設計があるかどうかが分岐点になります。
本記事では、成果が伸びにくい典型パターンを整理し、限られた予算と体制でも前に進められる「設計の作り方」を具体例付きで解説します。以降、デジタルマーケティングを「デジマ」と略します。目次
デジマに投資しているのに成果が伸びない状態とは
成果が伸びない原因は、担当者の努力不足や知識不足とは限りません。
典型的には、施策が「点」として存在している一方で、顧客の意思決定プロセスに沿った「線」としてつながっていないことが要因になります。
このプロセスのどこかで判断材料が不足していたり、次の行動が明確でなかったりすると、集客できても商談化につながりにくくなります。
全体像を見失いやすい4つの典型パターン
1)入口はあるが出口(商談化)につながらない(獲得偏重)
広告やSNSで流入は作れていても、比較検討に必要なページ(導入事例、FAQ、選定ポイント、費用の考え方)が不足しているケースです。ユーザーは「自社に適合するか」を判断できず、検討を継続できないまま離脱しやすくなります。 社内で起こりやすい認識の乖離:広告でリード獲得はできているため、以降は営業活動で挽回できるという前提で話が進み、比較検討に必要な情報整備が後回しになりやすい。
2)コンテンツはあるが導線設計が不足している(回遊設計の未整備)
SEO記事は増えているのに商談が増えない、という相談で多いパターンです。記事が閲覧されても、次のアクション(導入事例の確認、資料ダウンロード、問い合わせ)につながる導線が整理されていない状態になります。 社内で起こりやすい認識の乖離:PV(ページビュー)が伸びた事実だけで会話が終わり、どのページから、どの接点に進めるべきか(資料DL、セミナー登録、相談など)が決まらない。
3)KPIがPV/CVに偏り、商談の質を評価できない(質の指標が不足)
PVやCV(コンバージョン:問い合わせや資料DLなど)は把握しやすい一方、BtoBでは後工程の指標も重要です。たとえば「商談化率」「受注単価」「失注理由の傾向」などです。数だけを追うと、問い合わせは増えても条件が合わない商談が増え、営業側の確認工数や調整が増えることがあります。 社内で起こりやすい認識の乖離:CVは増えているのに、商談化率や失注理由が改善しておらず、マーケティングと営業の評価軸がそろわない。
4)社内説明に耐える根拠がない(意思決定が止まる)
「なぜこの施策を実施するのか」「どこがボトルネックなのか」を言語化できないと、予算や体制の合意形成が進みにくくなります。結果として、場当たり的に施策だけが増え、優先順位や役割分担が曖昧なまま改善サイクルが遅くなるケースがあります。 社内で起こりやすい認識の乖離:施策は増えているが、目的・前提・判断基準がそろわず、会議のたびにボトルネックや優先順位の議論が振り出しに戻る。
設計とは「顧客の意思決定プロセス」に施策と情報を割り当てること
設計の第一歩は、顧客が相談に至るまでの流れを可視化することです。
例:認知 → 興味 → 理解 → 比較 → アクション(問い合わせ/資料DL) → 育成(稟議・合意形成) この各段階に対して、施策を「役割」で割り当てます。たとえば、認知は広告やSNS、理解は解説記事、比較は導入事例・FAQ・選定ポイント、接点化は資料DL、育成はメール(ステップ配信)という形です。役割分担が定まると、「比較材料が不足しているため、先に導入事例とFAQを整備する」といったように、次に着手すべき内容が判断しやすくなります。 加えてBtoBでは、同じ「比較」でも分岐が起こりやすい点が重要です。たとえば、情報収集中の層は資料DLやセミナーで育成し、検討が進んだ層は要件ヒアリングや個別相談へ進める、といった導線の分け方が必要になります。
単一施策ではなく、役割分担した「組み合わせ」で成果を出す
現在は各チャネルの競争が激しく、単一施策だけで成果を安定させる難易度は上がっています。
そのため、入口(獲得)と出口(商談化)を分け、相乗効果が出る組み合わせを設計します。
すぐに着手できる「設計」の作り方(最小セット)
STEP1:直近の問い合わせをプロセス別に整理(棚卸し)する
流入経路だけでなく、どのページを参照し、どの不安や懸念が解消され、相談に至ったのかを整理します。営業やCSへのヒアリングは、15〜30分の短時間でも論点の抽出に有効です(例:比較段階で必ず聞かれる質問、社内稟議で求められる資料)。 STEP2:不足している判断材料を補う BtoBの意思決定で不足しやすい材料は、次の5つです。
- 導入事例(適用条件・成果・体制の前提)
- 費用の考え方(価格の構造、見積もり条件、運用費の前提)
- 比較ポイント/選定ポイント(判断軸を明文化)
- FAQ(検討時に頻出する論点の解消)
- リスクと回避策(失敗を避けるための前提・制約・運用条件)
ページ末尾のCTAが複数あると、ユーザーは判断に迷いやすくなります。 目的が「相談」なら相談導線に統一し、必要に応じて「チェックリスト」「要件整理シート」などを間に置いて、相談の前提をそろえます。
施策を増やす前に、設計図を1枚にまとめる
成果が伸びないときほど、施策を増やすよりも、全体の設計図を作ることが近道になる場合があります。
顧客の意思決定プロセスに沿って、施策の役割・順番・分岐(育成か個別相談か)を整理することで、「何から始めるべきか」が明確になり、改善の意思決定が速くなります。
設計図の整理からご相談ください
LYZONでは、検討初期の段階から、現状整理と優先順位付けをご支援しています。たとえば、以下をヒアリングしながら整理します。- どの工程がボトルネックになっているか(認知/理解/比較/コンバージョン/商談化)
- 施策の役割分担と優先順位(何を先に整備すべきか)
- 入口 → 比較 → 相談までの導線設計(分岐を含む設計方針)
デジタルマーケティング設計に関するよくある質問
Q1. デジマ施策を増やしているのに成果が出ません。最初に見直すべきは何ですか?
施策の前に、全体の「設計図(配分)」を1枚作るのが先です。顧客が「認知→興味→理解→比較→行動(問い合わせ)→育成(稟議・合意形成)」で進む前提で、広告・SEO・SNS・ウェビナー・メールなどを各段階の“役割”として割り当てると、施策が点ではなく線として機能しやすくなります。
Q2. 「単発施策」では当たらないとき、どうやって成果につながる導線を作ればいいですか?
入口と出口を分けて、チャネルを「組み合わせ」でつなぎます。たとえば、イベントやSNSで認知・接点を作り、検索や記事で理解と比較を促し、資料ダウンロードやウェビナーでリード化し、メールで育成して相談につなげる、といった流れです。単品で勝つ前提を外し、全体最適の導線で回収するのが有効です。
Q3. リスティング広告の費用対効果が合いません。クリック単価が高騰した今、どう戦うべきですか?
「広告だけ」で勝つ前提を外し、資産施策(SEO/コンテンツ/ミニサイト/育成)に寄せた設計に切り替えます。競合が強い領域ではクリック単価が上がりやすく、広告単体での回収が難しくなることがあります。その場合は、サブメジャーやロングテールの獲得、比較・検討に耐えるコンテンツ整備、回遊しやすいミニサイト化、メール等での育成を組み合わせ、広告は「入口」として最適化していくのが現実的です。
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