それ、本当に「ポータルサイト」ですか?グループウェア・ファイルサーバ・社内SNSとの違いを整理する
「社内ポータルを作りたいんです」
「グループウェアもあるし、ファイルサーバもあるけれど、情報がバラバラで……」
こうしたご相談の場で詳しく話をうかがうと、
お客様が頭の中でイメージしている「ポータルサイト」が、実は
- グループウェア(スケジュール/ワークフロー)
- ファイルサーバ(ドキュメントの倉庫)
- 社内SNS(カジュアルなコミュニケーション)
といった別のツールの役割と、かなり混ざってしまっていることがよくあります。
本記事では、「自分たちが欲しいのは本当に“ポータルサイト”なのか?」を見極めるための整理の仕方をまとめます。
目次
「ポータル=なんでもできる画面」と思うと、必ず破綻する
社内の打ち合わせでよく出てくるのが、
「ポータルに全部載せたい」
「とにかくここを開けば何でも分かるようにしたい」
というフレーズです。
一見すると理想的なように聞こえますが、
ここにはいくつか落とし穴があります。
- すべての情報を載せようとして、何が重要なのか分からなくなる
- グループウェアやファイルサーバが持っている本来の機能を、
無理にポータル側で“再現しよう”としてしまう - 「ポータル上にメニューがあるのに、結局そこから別ツールに飛ぶだけ」という
中途半端な導線が増えてしまう
いわば、「デスクの上にすべての資料を並べてしまい、逆に必要なものが見つからなくなる」状態に近いです。
ポータル・グループウェア・ファイルサーバ・社内SNSの“本来の役割”
一度、ツールごとの「本来の役割」をシンプルに整理してみます。
1. ポータルサイト(社内ポータル)
- 社員が最初に開く「入口の1枚」
- 重要なお知らせ、社長メッセージ、主要システムへの導線をまとめる
- 「今日は何が起きているか」「どこに行けば何ができるか」が分かる場所
2. グループウェア
- スケジュール共有
- ワークフロー申請・承認
- タスク管理・掲示板など、日々の業務フローを支える機能
3. ファイルサーバ/ドキュメントツール
- マニュアル・規程・企画書などの「ドキュメントの倉庫」
- バージョン管理・検索・共同編集などが得意
4. 社内SNS・チャットツール
- 気軽なコミュニケーション
- 部署やプロジェクトごとのトークルーム
- ちょっとした相談・ナレッジ共有
もちろんツールによっては、この役割が部分的に重なり合うこともありますが、
少なくとも「全部ポータルでやる」必要はありません。
ポータルはあくまで“入口とナビ”であり、
詳しい作業や保管は、それぞれ得意なツールに任せるイメージです。
「ポータルに全部入れよう」とすると何が起こるか
実際のプロジェクトで、ポータルに機能を詰め込みすぎたケースでは、次のようなことが起きがちです。
- メニューが増えすぎて、社員がどこをクリックすればよいか分からない
- ファイルサーバの代わりにポータルにファイルを直接置き始めてしまい、
どちらが正しい最新版か分からなくなる - グループウェアやワークフローとの境界が曖昧になり、
「申請はここからなのか、あっちからなのか」迷子が続出する - 結果として、誰もポータルを“入口”として使わなくなる
つまり、
役割を絞らないポータルは、「何でもできるけれど、誰も使いこなせない画面」になってしまうリスクがあります。
「自分たちが欲しいものは何か?」を見極める簡易セルフチェック
そこでおすすめしたいのが、
「本当に欲しいのはポータルなのか?」を確認するための簡易セルフチェックです。
次の質問に、直感で答えてみてください。
- 今、一番困っているのはどれに近いでしょうか?
- A:社員が、どのシステムにログインすれば何ができるか分かっていない
- B:申請・承認フローがバラバラで、紙やメールも混在している
- C:マニュアルや規程があちこちに散らばっていて、最新版がどこか分からない
- D:部署間・拠点間のコミュニケーションが足りず、情報が届いていないと感じる
- 「早く何とかしたい」と感じるのは?
- A:社員が最初に見る画面が、見づらくて評判が悪い
- B:毎日の申請・承認作業がとにかく大変
- C:文書を探す時間が長すぎる
- D:トップのメッセージや方針が現場に届いていない
- ここ1年以内に、最も大きく変えたいのは?
- A:社内情報の見せ方・入口の整理
- B:ワークフロー・勤怠・申請などの仕組み
- C:マニュアルやナレッジの整理・検索性
- D:組織横断のコミュニケーションの取り方
大まかな目安ですが、
- Aが多い → まずポータル(入口)の再設計が優先
- Bが多い → 先にグループウェアやワークフロー基盤の見直しが必要かもしれません
- Cが多い → ドキュメント管理(ファイルサーバ/ドキュメントツール)の整理が優先
- Dが多い → 社内SNSやチャットツールの活用設計を先に考えた方がよい場合もあります
「ポータルプロジェクト」の前に、やっておきたい整理
ポータルサイトのリニューアルや新規構築は、
どうしても「大規模プロジェクト」になりがちです。
しかし、実際に効果が出ている企業ほど、次のような順番で進めていることが多いです。
- まずは、今あるツールの役割を整理する
- 何に使っているのか
- どこが重複しているのか
- 「それぞれのツールに何を任せるか」を決める
- ポータルは入口
- グループウェアは業務フロー
- ファイルサーバ/ドキュメントツールは倉庫
- そのうえで、「入口としてのポータルの在り方」を設計する
つまり、
ポータルだけを単独で考えるのではなく、社内システム全体の役割分担の中で位置づけることが重要です。
まとめ:ポータルは「全部やる場所」ではなく、「最初に行く場所」
「ポータルサイト」という言葉に、何でもできる万能ツールのようなイメージがくっついてしまうと、
プロジェクトは複雑になり、現場の負荷も増えてしまいます。
本来、ポータルの役割はシンプルです。
- 社員が最初に開く「入口」
- 大事な情報と、主要な行き先への道しるべがまとまっている場所
「自分たちが本当に欲しいのはポータルなのか?」
「それとも別のツールや運用を整えることが先なのか?」
というところから、一緒に整理していけると、
“迷子にならないポータル”に近づいていけるのではないかと思います。
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