【増床プロジェクト#3】サクサク進む間取りとデザイン

カルチャー
2021.06.28
佐々木
Webデザイナー

前回に引き続きデザイナーの佐々木が、設計とデザインについて解説していきたいと思います。プロジェクトメンバーの協力もあり、このセクションはかなりスムーズに進みました。とくにIllustratorを使用した設計図面はデザイナーが扱いやすく、他部署の要望をすぐに反映できました。今回はそんな一部始終を紹介します。

前回の記事はこちら

目次

設計

間取りを決める

測量の次は、もっとも楽しく難しい、間取りの作成だ。

あらかじめ社長の承認が降りたエクセルベースの座席表と、経営企画室で洗い出してもらった備品購入リストをもとに、座席配置を決めていく。 いままでこの手順は、環境TFが今後の社員数を確認しながら作業していたために、ムダな時間を割いていたが、前述の通り担当者ごとのスコープを定めたため、スムーズに設計できた。

座席の位置のポイントとしては、足元の配線が美しくなるように、OAフロアの配線孔にあわせて配置すること。また、島同士の間隔を統一することだ。ネット上で「オフィス 空間 基準」などと調べて、根拠のある通路幅を確保した。

間取りのセオリーを盛り込んで設計した

工事や設置のときに区別がつくよう、既存什器と新規什器はレイヤーを分けて配置。 購入リストに記載された各什器・家具の寸法確認もこのときに実行してもらった。 このプロセスのおかげで、什器の設置は比較的スムーズに行われた。

電源・LAN・電話配線

同時に、LAN/電源を設置する場所も設計。Illustratorのスクリプトを使い、長さなどはPC上で計測できるようになっていたので、ケーブルの注文もスムーズに行った。 おまかせだと業者も困ってしまうので、自社で図面を引くなら必須の情報だ。

配線図は業者への指示書にもなるので入念に作成

青丸はLANケーブル、赤丸はOAタップ。LANケーブルのみ線が引かれているのは、その設営を社員でやるからだ…。

デザイン

デザインのコンセプトは「出社が楽しくなる、居心地のいいオフィス」

既存の4Fで課題となっていたのが、暗い印象の床、雑然とした什器による、"汚さ"だった。とくにカーペットタイプのフローリングはホコリや髪の毛が付着しやすく、また飲みこぼしのシミなど汚れが目立っていた。また、値段と納期で選んだであろう什器は、図らずもオフィスの雰囲気を"事務所"のような無機質感を出している。

既存の社内の雰囲気

そもそもコロナ禍において、オフィスの改装に経費を掛けるのはいかがなものかという意見もある。しかし、アフターコロナを見据え、やはり既存のオフィスが抱える課題は、社員の働く環境を良くするうえでも解消するべき課題である。

そこで我々は「居心地のいいオフィス」「会社に毎日来たい」をコンセプトとして、木目を用いたナチュラルテイストで明るい雰囲気のオフィスづくりを目指すことにした。ウッディーでアットホームな雰囲気は、働く人の憧れだ。

目指す社内の雰囲気

フローリングはオフィスの雰囲気をガラッと変えるベース的存在

フローリングは、デザインコンセプトに沿うよう木目調と決めていた。コンクリ打ちっぱなしのような床も気になっていたが、冷たい印象になってしまうこと、今と色があまり変わらないという理由から、検討にあげたものの採用はしなかった。

木目調にも、明るさと模様の濃さなど色々ある。取り寄せたカタログは実にバリエーションが豊富で、どれもよく見える。しかしサンプルはとても小さいので、「この柄が床一面になったらどうなるか…」という想像は難しい。

まずは社長・経営企画室においていくつかの候補をピックアップしてもらった。4Fは既存の白い什器を使用することから、それにマッチするフローリングを使ったほうがいいよね、ということに。4Fは明るめで木目が目立たないシャイニングオークをチョイス。6Fは雰囲気を変えようという意見が多かったので、落ち着きのあるトーンで木目が目立つノルディックオークを採用した。

フローリングのカタログ開き写真

フローリングに関しては、シンプルな方がいいよねという共通の認識があり、意見も割れずスムーズに決まった。

エントランス、色を変えてみる?

また、会社の顔となる4階のエントランスのみ、フローリングを変えてもいいのでは?という話にもなった。空間ごとに色分けするの、アクセントになっててかっこいいですよね。Slackでちょっと提案してみました。

エントランスの一部だけこれにしたい…なんつって…

しかしみんな口を揃えて、「実物を見ないとわからない」だとか「かんたんに作って欲しい」と言わんばかりである。仕方がないので、ここはデザイナーならではの発想で、合成写真を作って検討してみた。

床のイメージ

結局は、費用のことと、やっぱ木がいいよねってことになり、右案になることとなった。

壁と建具の色はサクッと決まる

またその後、6Fの壁紙のデザインと室内ドアとを決めた。少し話が前後するが、6階には会議室と納戸を設置することになっており、それらと執務室との間の間仕切り壁の色を考える必要があった。

こちらも現場でカタログを開き、床の色と照らし合わせて良さそうな色をピックアップ。壁紙は趣向を凝らしてダークトーンに、ドアもそれに合わせた暗めの木目調を採用し、その場ですんなり決まった。この黒い壁、将来的に白いカッティングシートでオリジナルのイラストを描いても良いだろう。

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