書評:「誰でもかんたん!!構図がわかる本: バランス力アップで漫画・イラストが上手くなる!」

こんにちは。デザイナーの平田です。
最近、「誰でもかんたん!!構図がわかる本」という本を読みました。 漫画やイラストの構図について解説されており、面白かったので紹介しようと思います。

視線誘導

意図した方向に、見る人の視線を誘導することを視線誘導と言います。
本書では、題材の配置や構成による視線誘導の方法が解説されています。

人は、重力によって物が上から下へ動くという経験や、利き目の偏りなどにより錯視を起こしやすい傾向があります。
本書によると、利き目が右の人の場合は、右上にあるものは左上に、左上にあるものは下に動くように感じやすく、 こうした傾向に合わせて、絵画などでは自然な動きになるような構図が取り入れられているそうです。

また、人物の仕草や視線を使った視線誘導にも触れています。
西洋絵画では、人物の向いている方向や手の仕草によって、 見る人の視線が画面の中を循環するような構図になっているものが多くみられるようです。

こうした視線誘導の方法は、広告バナーなどでもよく使われているなと思いました。
人物の顔は無意識に目を引く効果がありますが、 人物の視線や指先の方向に商品の写真やキャッチコピーを配置することで、一番伝えたい部分へ視線を誘導することができます。

人物の仕草による視線誘導

余白=可能性空間で動きを作る

本書では画面における題材の配置や余白をうまく使うことで、動きのある構図にする方法が紹介されています。
主材(人物や物)が動く余地のある余白のことを「可能性空間」といい、 主材の動きや視線誘導の方向に可能性空間がある配置にすることで、主材がその方向に向かって動きそうな印象を与えることが書かれています。

デザイナーは余白によって情報をグルーピングしたり、要素と余白とのコントラストにより見てもらいたい部分を強調したりしますが、 「可能性空間」という概念は初めて知ったので興味深かったです。
余白=可能性空間として意識することで、動きのある構図を考えるときに役立ちそうです。

印象を左右するホライゾンライン

本書ではホライゾンライン技法についても紹介されています。
ホライゾンライン(地平線)の傾きを変えると画面の印象が大きく変わります。

2つの写真を比べてみると、右上がりのホライゾンラインには開放感やポジティブな印象を受けますが、 右下がりのホライゾンラインには圧迫感やネガティブな印象があります。

ホライゾンラインを変えることで、 可能性空間の範囲や重力の方向の見え方も変わるので、主材の動きの方向を強調する効果もあります。 また、ホライゾンライン自体が左上から右下といったような視線誘導にもなると思いました。 可能性空間や視線誘導と組み合わせて効果的に使えると良さそうです。
ホライゾンラインは少し変えるだけでも印象が変わるので、 傾きのバランスには気をつけたいです。

まとめ

紹介した内容はごく一部ですが、ほかにも漫画やイラストで使われる構図の手法がたくさん載っています。
イラストや漫画を描く人向けに書かれた本ですが、 写真のトリミングや、バナーやメインビジュアルのレイアウトを考えるときにも参考になると思いました。
気になる方はぜひ読んでみてください。

平田

平田 Webデザイナー

UI/UXにこだわるWebデザイナー。
コーディングを想定してデザインしていくのが得意。
2018年入社。 健康オタク。