リスティング広告を運用していると、「掲載順位がなかなか上がらない」という悩みに直面することがあるはずです。

インターネットで調べてみても、入札単価や広告ランクなど重要な要素は多く、さらに細かい指標も複数存在するので、結局のところ何を意識して設定すればいいのかわからない、という方々も多いことでしょう。

今回はリスティング広告の掲載順位を上げるコツを、「検索意図(検索キーワード)」「広告(見出し/説明文)」「LP(コンテンツの内容)」という3つの観点から、なるべくわかりやすく解説していきたいと思います。
先に言ってしまうと、「広告の掲載順位を上げるために重要なのは、<検索意図>と<広告>と<LP>の関係性を高めること」というのがこのブログの結論です。

ピンときた方もいるかもしれませんが、これは最終的に「品質スコア」という広告の掲載順位を左右する重要な指標を改善することにも繋がっています。
その点についても説明するつもりなので、興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。

また、今回はGoogle広告の指標を軸に説明していきますが、Yahoo!広告でも基本的な考え方は同じです。

検索意図(検索キーワード)

みなさんは検索キーワードを設定するとき、どういう判断基準で設定していますか?
広告やLPに関係あるキーワードだけならまだしも、「たくさんの人に広告を見て欲しい」という理由で、必要以上に大量のキーワードを設定してしまってはいないでしょうか。

検索キーワードを設定するときには、ターゲットとなるユーザーの「検索意図」を明確にする必要があります。検索意図というのは、「ユーザーがそのキーワードで検索した目的」のことです。
ユーザーが本質的に何を求めているのかということにも繋がるので、ユーザーの「ニーズ」と言い換えることもできるかもしれません。

例えば、「安くウェブサイトを作りたい」というのがユーザーのニーズであり、検索意図です。
「安くウェブサイトを作りたい」という検索意図で検索されるキーワードは、(もちろん色々あるとは思いますが、)「ウェブ制作 格安」「サイト制作 安い」などになるでしょう。これが、検索キーワードです。

繰り返しますが、「検索意図」を明確にしてから、それに沿った「検索キーワード」を設定することが、リスティング広告の戦略では重要です。
そして、「検索意図」は可能な限り一つに絞ることが大切で、検索キーワードは想定している検索意図からブレないようにする必要があります。

なぜなら、「安くウェブサイトを作りたい」という検索意図を持つユーザーがターゲットであるにも関わらず、「ウェブサイト おしゃれ」などの検索キーワードを設定してしまうと、ニーズの異なるユーザーに対して広告表示してしまうことなります。
そうなると当然、広告をクリックしてもらえなくなり、それがそのままクリック率の低下にも繋がるのです。

広告のクリック率というのは、広告の掲載順位にとても大きな影響を与えているので、「検索意図の合致するユーザーにだけ広告を表示させることでクリック率を上げる」という観点を持つことが非常に重要となります。

広告(見出し/説明文)

続いて、広告(見出し/説明文)を作成するときのコツを紹介していきます。
とは言え、前項の検索意図(検索キーワード)との繋がりも重要になるので、その点も意識しながら読んでみてください。

広告の見出しには、「検索キーワード」を含めることが重要です。
なぜなら、「ウェブ制作 格安」という検索キーワードで表示された広告の見出しに、「ウェブ制作」や「格安」というキーワード(少なくともそれに類似するキーワード)が入っていなかったら、おそらくユーザーはクリックしようという気持ちにならないはずだからです。

「そんなの当たり前だ」と思われるかもしれません。
しかし、この基本的なことが、実際の現場では正しくできていないことが多いのです。

また、広告の見出しは長めに設定することも可能ですが、デバイスなどによっては全て表示されない場合もあります。
「…」などで見切れてしまっているタイトルを見たことがあるはずです。
したがって、重要なキーワードは可能な限り、最初の方に入れる(左側に寄せておく)などの工夫が必要になります。

説明文も手を抜いてはいけません。
検索意図に沿った関連キーワードをしっかりと含めておくことが、クリック率の上昇に繋がります。

繰り返しますが、クリック率が改善されると、広告の掲載順位も高くなります。
ユーザーの検索意図と検索キーワードを意識し、ユーザーの視点に立って、「どんな見出しや説明文だったらクリックしたくなるだろうか」としっかり考えて広告の文章を作成することが大切です。

LP(コンテンツの内容)

LPを作成した後にリスティング広告の戦略を練る、という方もいるかもしれません。
しかし、LPなどのコンテンツ制作と、リスティング広告での集客は、セットで戦略を練ることが大切です。

広告と検索意図の関係性を高めることが重要であることと同じように、LPを制作するときにも、ユーザーの検索意図や検索キーワードを意識したコンテンツ作成が重要となります。
せっかく検索意図に沿った広告文を作成して、ユーザーにクリックしてもらうことができたとしても、肝心のコンテンツ内容がユーザーの求めている内容と異なっていたら、そこまでの努力が水の泡です。

例えば、「安くウェブサイトを作りたい」という検索意図で「ウェブ制作 格安」と検索してきたユーザーが、「格安Webサイト制作~~~」と書かれた自分のニーズにぴったりの広告をクリックしたのに、LPの中身では「格安でWebサイトを制作できること」を全く訴求していない場合、ユーザー側からすると期待外れでしかないですし、騙された気持ちにもなるかもしれません。

したがって、広告の見出しや説明文と同様に、LPのコンテンツにもしっかりと検索意図に沿った検索キーワードを入れ、広告をクリックしたユーザーにとって価値のある情報を提供することが大切です。
リスティング広告の掲載順位を上げるためには、広告とLPの関係性を高めることも重要な要素の一つとなります。

「検索意図←→広告←→LP」の関係性を高めることが重要

ここまでの説明でわかる通り、「検索意図(検索キーワード)」「広告(見出し/説明文)」「LP(コンテンツの内容)」の関係性を高めることが広告の掲載順位を上げるためにはとても重要です。

  1. 「安くウェブサイトを作りたい」というニーズ(検索意図)を持つユーザーが、
  2. 「ウェブ制作 格安」というキーワードで検索し、
  3. 「格安Webサイト制作~~~」と書かれた広告を見つけ、クリックし、
  4. 「格安でWebサイトを制作できること」を訴求するLPへ移動する。

この一見して当たり前のような流れをしっかりと意識して戦略を練ることが、リスティング広告を成功させる鍵となります。 また、これらの対策を実施することは、リスティング広告の本来の目的であるコンバージョン率を高めることにも繋がるのです。

「品質スコア」とは

リスティング広告には「品質」という概念があり、Google広告では「品質スコア」という指標で呼ばれています(Yahoo!広告では「品質インデックス」)。

品質スコアは、リスティング広告の掲載順位を決定する重要な指標の一つで、以下の三つのスコアによって算出されます。

(1)ランディングページの利便性

広告をクリックしたユーザーにとってランディングページがどれくらい関連性があり、役に立っているかを表します。ランディングページのコンテンツとユーザーの検索語句との関連性の高さや、ページでの操作のしやすさといった要素が考慮されます。(出典:Google広告ヘルプ)

(2)推定クリック率

広告が表示されたときにクリックされる可能性を表します。このスコアは、広告の過去のクリック率に基づいて算出されます。広告の掲載順位や、広告の視認性に影響する他の要素(広告表示オプションなど)による効果は考慮されません。(出典:Google広告ヘルプ)

(3)広告の関連性

キーワードと広告に含まれるメッセージとの関連性の高さを表します。平均スコアより低い場合は、広告が一般的すぎるか具体的すぎるため、ユーザーの検索語句に対応したものになっていない、またはキーワードがお客様のビジネスと関連していないことを意味します。(出典:Google広告ヘルプ)

すでに気づいている方もいるかもしれませんが、今回のブログで説明した「<検索意図>と<広告>と<LP>の関係性を高める」というのは、「(1)ランディングページの利便性」「(2)推定クリック率」「(3)広告の関連性」を改善するということに繋がっています。
さらにそれが、広告の掲載順位をアップさせるための「品質スコア」を上げることにも繋がっているのです。

コンバージョンを増やすことがリスティング広告のゴール

ユーザーをコンバージョンへ導くことが、リスティング広告のゴールとなります。
広告の掲載順位を上げることは、そのための一つの手段でしかありません。

しかし、今回説明した「検索意図(検索キーワード)」「広告(見出し/説明文)」「LP(コンテンツの内容)」という3つの観点から戦略を練ることは、掲載順位を上げるためだけではなく、コンバージョン率を高めるためにも大きく役立つはずです。

リスティング広告で行き詰まりを感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

※本ブログは2020年7月時点の情報を元に執筆しました。

Lyzon編集部

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