「修正してもらった内容が反映されてないんですけど…。」

サイトを運用している方でしたら、一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?
お客様からご依頼いただいた内容を反映して、自分でもサイトでチェック。
問題ないことを確認して、お客様にご確認いただくよう連絡をしたところ、このような返事が返ってくることがあります。
原因としては、今回のテーマである「キャッシュ」が主として考えられます。

「キャッシュが残っていると思われますのでctrl+shift+RChromeの場合)を押してみてください。」
おそらく、この一言をお伝えするとたいていの場合は修正した内容が反映されるかと思います。

ただし、この場合は"ブラウザキャッシュ"が残っている場合にのみ有効です。
一言にキャッシュといっても様々な種類があります。

今回はこのキャッシュについて話していきたいと思います。

キャッシュとは

まず初めにキャッシュについて説明したいと思います。
そもそもキャッシュとは、一度訪れたWebサイトのページの情報を保存しておき、再度訪れた際にそのページを表示させるスピードを速くしてくれる仕組みのことを指します。
キャッシュをためすぎると動作が遅くなってしまうことはありますが、基本的にエンドユーザーにとって非常に有効な機能になります。
しかし、Webサイトを運用する側からすると、ブラウザなどが良かれと思ってやっているこの機能により、冒頭で話したように修正した内容が反映されないことがあります。

キャッシュの種類

ここではいくつかのキャッシュの種類について説明したいと思います。

ブラウザキャッシュ

ブラウザキャッシュはWebブラウザが過去に取得したデータがデバイスに保存されたものを指します。
初めてのページに訪れたときは、ブラウザがサーバーにページの情報(HTML、画像ファイル等)を送ってもらいます。
その後、送られてきたデータをデバイスに保存(キャッシュ)しておきます。

同じページに再度訪れた場合は、デバイスに保存しているキャッシュを参照してページを表示させます。
そのため、2回目以降訪れた際にはブラウザとサーバー間の通信が不要となります。

CDNキャッシュ

本来、ブラウザが取得するデータはオリジンサーバーから送られてきますが、大量のデータ送受信によるオリジンサーバーの負荷を減らすため、キャッシュサーバーを通してデータを送信してもらうことがあります。 この場合は一度オリジンサーバーからキャッシュサーバーへデータを送信し、キャッシサーバーにデータが保存されます。

CDNキャッシュについては、CDNのサービスごとにキャッシュクリアの方法が異なります。
各サービスの管理画面で確認をしてキャッシュクリアをしてください。
パラメータまで含めたURLでキャッシュすることが多いのでその場合はパラメータの文字列を変えることでキャッシュがクリアされます。

プロキシキャッシュ

プロキシキャッシュは社内LANなどローカルネットワークとインターネットの間に設置してあるプロキシサーバーにデータが保存されたものを指します。 キャッシュの情報はデバイスごとではなく、プロキシサーバーに接続している全てのデバイス分が保存されます。

プロキシキャッシュの場合は、プロキシサーバーの管理会社に確認をし、キャッシュクリアの依頼をしましょう。

まとめ

これ以外にも多くの種類のキャッシュが存在します。

「修正してもらった内容が反映されてないんですけど…。」 お客様からこのようなご連絡をいただいた時にはブラウザキャッシュを疑いつつも、 他にどのような原因があるのか、その解決方法は何なのか、を考えられたら立派なWebサイト担当者と言えるのではないでしょうか。 (くれぐれも本当に反映してませんでした。とはならないように気をつけましょう。)

佐藤

佐藤 Webディレクター

2019年入社。主に運用の案件を担当している。
他のスポーツは見向きもしないほど野球が好き。