バージョンの付け方(画像はイメージです)

「バージョン」と言うと、デザイナーやエンジニアが使うためのものだと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、バージョンの概念をファイルやフォルダにも導入すれば、さらに効率の良い書類管理ができるとともに、どのファイルが最新か分からなくなるトラブルから開放されるでしょう。

今回は、営業やディレクターにも役立つバージョンの付け方をご紹介します。


なぜバージョンが必要なのだろう

例えば、お客さまとやり取りする設計書を例にとって説明しましょう。設計書はなかなか一度で承認されることはなく、作成・提出したあと、何度も確認→修正の流れを繰り返すことになります。

しかし、過去に作成した書類もエビデンスを残さなければなりません。元の書類を複製した新しい書類に相対的な名前を付けてしまうと、どれが最新かわからなくなってしまうでしょう。

  • 画面設計書.xlsx
  • 画面設計書_old.xlsx
  • 画面設計書_山田.xlsx
  • 画面設計書_更新.xlsx
  • 画面設計書_最新版.xlsx
  • 画面設計書_検収済.xlsx
  • 画面設計書_納品.xlsx
  • 画面設計書_編集中 のコピー.xlsx
  • 画面設計書_編集中.xlsx

内外のやりとりでファイルが増えてしまうことはよくあることですが、良いことではありません。

こんな管理では第三者が見ても到底理解できません。

そこで、ある規則に従って絶対的な番号を付与することで、前後関係を明確にさせたり、前回と比べてどのくらいの変更が加わったのか、または何回更新されたのか、すぐに理解できるようになります。


バージョンとは

ソフトウェアや書類などを改訂していく際に、 改訂の段階を表すために付けられる番号
ASCII.jpデジタル用語辞典


身近にあるバージョン

私たちの身の回りには、バージョンで溢れています。


バージョンの使いどころ

ではバージョンはどういったところにつければ良いのか、ということを耳にします。

これの答えとしては、「好きなところにつけよう」です。付ける場所より、付ける方法(ルール)のほうが大事なのです。

弊社の場合、次のような場所にバージョンを表記しています。

  • 提案書や設計書などの書類
  • Gitのリリースタグ

OneDriveやDropboxなどクラウド管理されているものは、自動で保存されいつでも過去のデータにアクセスできるため、バージョン管理が不要かもしれません。


バージョンの付け方

実はバージョンの付け方は、法則さえあればどんな方法でも構いません。ただ、ある一定のルールを知っておいたほうが、はるかに使いこなすのがはやくなるでしょう。ここでは、セマンティック バージョニング 2.0 というアイデアを元にしたX.Y.Z記法を覚えましょう。

X.Y.Z記法の例

  • 1.3.2
  • 10.16.4
  • 67.859.4032

各バージョンの意味

  • X: メジャーバージョン 見た目や操作性に影響を及ぼすような大きな変更やページの追加など
  • Y: マイナーバージョン 細かな機能向上や部分的な情報の追加やページの修正など
  • Z: パッチバージョン バグ修正や誤字脱字の訂正など

バージョンを表す記法

  • version 1.2.3
  • ver. 1.2.3
  • v1.2.3

記述のポイント

各バージョンを上げるときは、0, 1, 2, ... のように1ずつ上げ、欠番しないようにします。

  • 例1:現在のバージョンが1.0.1で、バグ修正をした場合、次のバージョンは1.0.2となる
  • 例2:現在のバージョンが3.1.6で、バグ修正をした場合、次のバージョンは3.1.7となる

ヒント:もし欠番があると、第三者は抜けたバージョンを探すのに必死になってしまいます。

各バージョンを上げるときは、上位のバージョンに繰り上げず、当該バージョンのみを9, 10, 11, 12...のように上げます。

  • 例1:現在のバージョンが1.9.9で、バグ修正をした場合、次のバージョンは1.9.10となる
  • 例2:現在のバージョンが4.0.99で、バグ修正をした場合、次のバージョンは4.0.100となる

ヒント:バージョンで使う点「.」は小数点ではありません。

上位のバージョンが上がると下位のバージョンは0にリセットします

  • 例1:現在のバージョンが2.1.5で、大きな追加をした場合、次のバージョンは3.0.0となる
  • 例2:現在のバージョンが10.14.6で、小さな変更をした場合、次のバージョンは10.15.0となる

ヒント:メジャーが0のときは開発版であることが多い

ゼロパディングは入れないでください。

10.01.2のような表記はせず、10.1.2のように書きましょう

ヒント:ゼロパディングとは…上位の桁と見た目上の桁数を揃えるために、下位の桁の頭にゼロを挿入する手法 例:5:1⇔05:01


練習問題

記述のポイントを覚えられたでしょうか。以上のルールを守れば、どんなバージョン表記でも読み書きできるようになるでしょう。次に、練習問題を実践してより理解を深めましょう。

問1:現在のバージョンが5.0.1で、パッチバージョンがあがる場合、どちらが適切か

  • 5.0.2
  • 5.1.1

問2:現在のバージョンが2.1.9で、パッチバージョンがあがる場合、どちらが適切か

  • 2.1.10
  • 2.2.0

問3:現在のバージョンが1.14.6で、マイナーバージョンがあがる場合、どちらが適切か

  • 1.15.6
  • 1.15.0

問4:現在のバージョンが6.18.2で、マイナーバージョンがあがる場合、どちらが適切か

  • 6.19.2
  • 6.19.0

問5:現在のバージョンが3.2.9で、メジャーバージョンがあがる場合、どちらが適切か

  • 4.2.9
  • 4.0.0

回答

  1. 5.0.2
  2. 2.1.10
  3. 1.15.0
  4. 6.19.0
  5. 4.0.0

まとめ

ここまで覚えてきたX.Y.Z記法をおさらいしましょう。

  • X: メジャーバージョン 大きな変更やページの追加
  • Y: マイナーバージョン 小さな変更やページの修正
  • Z: パッチバージョン バグ修正や誤字脱字の訂正

ここまで覚えてきた記述のポイントをおさらいしましょう。

  • 欠番させない
  • 上位のバージョンに繰り上げない
  • 上位のバージョンが上がると下位のバージョンは0にリセットする
  • ゼロパディングは入れない

豆テスト

以下のファイルは、弊社の研修で実際に使用した試験用紙です。CC BY-SA 3.0ライセンスのもとで配布しておりますので、ご利用ください。

豆テストをダウンロードする(Word文書形式・回答あり)

佐々木

佐々木 Webデザイナー

2014年入社。安定感や清潔感のあるデザインが得意。CMSに導⼊しやすい効率的かつ保守性の⾼いマークアップができ、デザイナーながらフロントエンドの技術も有する。
旅と写真が好きだが、地図を眺めていて1日が終わることがよくある。