【Adobe Max2023】 参加レポート キーノートで発表された新機能の紹介!

クリエイティブ
2023.12.08
早坂
Webデザイナー

デザイナーの早坂です。

今回、2023年11月16日に東京ビッグサイトで開催された「Adobe MAX Japan 2023」に参加しました。
言ってきた感想、キーノートの新機能、アップデート内容のまとめを紹介します。

目次

Adobe Maxとは

Adobe MAXはグラフィックデザイン、写真、Web制作、UI/UXデザイン、映像制作、3D制作などに携わるクリエイターの方、およびそれらを目指す方が楽しめる「クリエイターの祭典」です。
クリエイティブの第一線で活躍するスピーカーたちが、デザイン、UI/UX、ビデオ、写真、3Dなどの多彩なセッションを体験することができます。

今回は4年ぶりのオフライン開催で、会場には約3000人の参加者がいました。

会場の様子

イベントの会場は1Fと4Fに分かれています。1Fには、セッションエリア、企業ブース、クリエイターさんの展示・即売会、作品展示エリアが集結しています。
4Fは最も大きなセッションエリアで、そこでキーノート(ソフトの新機能)が発表されました。

1Fの会場全体の様子

他にもフードエリアや撮影スペース、充電スポットなど、さまざまなブースがあり、非常に賑わっていました。
初回のキーノートは4階のメインステージでほぼ満席で、早めに集合したので前の席を確保することができました。

会場モニター

大画面で新機能の紹介をライブで実演しながら紹介していました。

↓以下、今回発表されたキーノートの新機能のまとめになります。↓


Photoshopの生成塗りつぶし

Adobe Firefly の技術を使用して、あらゆる画像のコンテンツを追加、削除、拡張、「生成塗りつぶし」および「生成拡張」が正式リリースされました。

生成塗りつぶしを使用すると以下のことができます。

  • オブジェクトを生成:画像内の領域を選択し、テキストプロンプトを使用して、追加/置換するコンテンツを説明します。
  • 背景を生成:被写体の背景を選択し、テキストプロンプトから新しいシーンを生成します。
  • 画像を拡張:空白の領域を選択します。プロンプトを使用しないで生成すると、シーンがその雰囲気に合わせて拡張されます。
  • オブジェクトを削除:削除するオブジェクトを選択し、プロンプトなしで生成して削除します。

↓早速、生成塗りつぶしを実践します↓

2つの画像を生成塗りつぶしで合成

合成したい部分を選択ツールで囲むと「コンテキストバー」が表示されるので「生成塗りつぶし」を選択します。

画像をなじませるだけなので、プロンプトには何も入力せず「生成」を選択します。

生成塗りつぶし

プロンプトによるオブジェクトの追加

次にプロンプトによるオブジェクトの生成です。
追加したいキーワードをプロンプトに入力してオブジェクトを生成させます。
プロンプトに「rock」と入力(日本語でも可)

岩生成
画像になじむ岩が生成

最後にプロンプトに「island」と入力

島生成
奥行きのある島が生成

以上Photoshopの最新リリースの実践内容でした。実際に試した画像は、10分以内で作成完了しています。
ここまで派手な画像作成・修正は中々ありませんが、ちょっとした修正(画像の幅が足りないなど)なら実務で使えそうです!


IllustratorにAI生成、ベクターデータ作成、モックアップ画像機能搭載!

Illustratorも、新しい機能として生成AIが導入され、これによりテキストやアイデアからスケッチやデザインを生成することが可能になりました。
現在、この機能はベータ版として提供されています。現在、この機能はベータ版として提供されています。今回のキーノートで紹介された機能をいくつか紹介します。

  • AI生成機能によるベクター生成
  • モックアップ機能
  • フォントの抽出・再編集

AI生成機能によるベクター生成

この機能は作成したいベクター画像のキーワードを入力するだけで、手軽に作成できる機能です。
ベクター画像なので、再配色で別のカラーやトーンに変更することが可能です。

作成手順
  1. 「ウィンドウ」
  2. 「テキストからベクター生成(Bate)」
  3. プロンプトに作成したいキーワードを作成(日本語でも可)
  4. 「生成」を選択
ウィンドウ

さらに種類の「被写体」、「シーン」、「アイコン」、「パターン」の中から自分のイメージする成果物を選択できます。

選択肢

また、「スタイルピッカー」という機能を使用すると、画像やアートワークから同様のテイストや配色を自動生成してくれます。
例えば、色とりどりの華やかな花の写真を選択すると、その雰囲気に近い華やかなハンバーガーが生成できます。

スタイルピッカー

モックアップ機能

「モックアップ(Beta版)」を利用すると、製品パッケージ、マグカップ、Tシャツなどのオブジェクトにアートを適用したモックアップを手軽に作成できます

作成手順
  1. モックアップを作りたい写真とベクターオブジェクトを選択
  2. 「オブジェクト」
  3. 「モックアップ(Beta)」
  4. 「作成」を選択

配置したいオブジェクトを動かしてみると、しっかりと面の角度を理解して配置してくれます。この操作だけで簡単にモックアップ画像を作成することができました!

さらに、複数の画像をモックアップに組み込むことができます。「解除」を押すことでモックアップを解除します。

静的テキストからライブテキストへの変換

IllustratorのRetype(Beta版)では、ラスター画像やアウトライン化されたテキストに使用されているフォントを静的テキストとして識別できるため、フォントを推測する手間がなくなりました。
テキストのフォントを認識したら、それをそのままテキストに適用することができ、簡単に編集が可能です。

※Beta版では欧文テキストのフォントのみ識別します。

作成手順
  1. 「書式」
  2. 「Retype(beta)」を選択
フォント識別

この機能は貰ったデータが全部アウトライン化してフォントがわからない!という悩みを解決してくれます。
まだBeta版なので、うまく検出できないこともしばしばあります。個人的に正式リリースが待ち遠しい機能です。


Premiere Pro、After Effectの新機能盛沢山

Premiere ProとAfter Effectsでは、比較的多くの新機能が発表され、ユーザーの要望に応えるための魅力的なアップデートが行われました。今回はその中から、特に「こんなのが欲しかった!」と感じさせる機能をピックアップしてご紹介します。

Premiere Pro

Premiere Pro 新機能一覧
  • フィラーワード(えー、あのーなどの言い淀み)を自動検出、一括削除
  • テキストの移動、削除で映像にも反映できる
  • 字幕の自動生成
  • 音声をよりクリアに検出
フィラーワードを検知した画面
フィラーワードを検知した画面

まず、印象的だったのは「フィラーワードの検出と削除」機能です。フィラーワード自体は初めて聞いた言葉でしたが、動画編集者の方々がこれをひとつずつ見つけて削除する手間がどれほど大変かが理解できました。この新機能は動画編集者にとって必要不可欠な機能になるのではないでしょうか。

After Effect

After Effect アップデート
  • トラッキングの精度向上
トラッキングされた映像キャプチャ
トラッキングされた映像キャプチャ

腕が交差したり、光の反射があったりするような難しい映像でも、きれいにトラッキングできるようになりました。 トラックパッドでざっくりと囲んでも、しっかりと選択してくれます。

ノンデザイナーでも使いこなせるAdobe Expressとは

Adobe Expressは無料で利用可能な簡易画像編集ソフトです。
プロ向けのCreative Cloudとは異なり、初心者向けのアプリケーションであり、気軽に画像編集を楽しみたい非デザイナーにおすすめです。

アップデート内容としては、ノンデザイナーより、マーケティング担当の方が複数メディアに展開できるような内容でした。

その中からいくつかの機能をピックアップします。

Adobe Expressでできること
  • ビデオ制作はドラッグ&ドロップで簡単
  • Adobeツールでワンクリックタスク完了
  • Firefly生成AIでテキスト効果や画像を瞬時に生成
  • プロテンプレートとAdobe Stockで素早いデザイン
  • リアルタイム共同作業とコメント
  • 編集する必要のないオブジェクトにはロックがかけられる
  • SNS用にサイズ最適化
  • 複数言語の翻訳
  • PhotoshopやIllustratorのアセットに簡単アクセス
  • SNS予約投稿

豊富なテンプレートを選べる

テンプレート一覧

Adobe Expressには数千ものテンプレートが用意されており、自由にカスタマイズして利用することが可能です。

SNS用にサイズ最適化

サイズ最適化

デザインを破綻させず、SNSや掲載媒体に合わせて様々なサイズの画像を生成することができます。

SNSの予約投稿が可能

予約投稿画面
※この機能はモバイルアプリケーションでも間もなく登場する予定です。

作成したコンテンツをTwitterやInstagram、Facebookなどに直接投稿できます。
さらに、予約投稿機能も備えており、投稿する時間や文章を事前に設定しておけば、自動的に指定した時間に投稿が行われます。


まとめ

初めてオフラインでAdobe MAXに参加し、対面ならではの刺激をたくさん受けることができました。
そして今回の目玉といっていいほど、AI生成を使った新機能がたくさん登場しました。1年で大幅なアップデートがあり、やはりAIの進化の速さに驚きます。
作る側も受け身ではなく、どんどんアップデートしていかないと置いてかれる気がして、少し焦りの気持ちも出てきました。
Adobe Expressは恥ずかしながら知らなかったアプリで、デザイナーでなくてもテンプレだけでクオリティーの高いものが作れるのか!と驚きました。
今回のAdobe MAXはAIと共存しながら、より良いものをたくさん作れるようになるそんなアップデート内容でした。 来年はどんな新機能が生まれるのかとても楽しみです。

Youtubeにキーノートのアーカイブが公開されてますので、もっと詳しい内容を見たい方は是非ご覧になってください。

【Adobe MAX Japan 2023】キーノート|アドビ公式