Webデザイナーが色彩検定を仕事で活かすには?-2級・UC級-
こんにちは、Webデザイナーの山岸です。普段はWebページのデザインやコーディング、さらにはサムネイルの画像作成などに携わっています。
実は今回、4年以上ぶりに試験勉強に挑戦しました。
受験したのは色彩検定の2級とUC級。
この記事では前半で受験理由と感想、後半に色彩検定が仕事でどのように役立てているかを紹介します。
目次
資格取得を目指した理由
なぜ資格を取ろうと思ったかと言うと、デザインの中でも特に色選びに興味があり、色彩を強みとしたWebデザイナーになりたいと考えたからです。
色の勉強をする過程で、自分のスキルを誰にでも分かりやすく証明できる「資格」はぜひ欲しいところ。
またLYZONでは、対象の資格であれば合格すると会社から受験費用免除・報奨金がもらえます。
テキストも会社が購入してくれるので手厚いサポートのなか資格取得を目指せるのでとてもありがたい。。
色の勉強+資格が取れる。良いことづくしだったので受験を決めました。
色の検定って意外といろいろある
カラーコーディネーター検定・色彩福祉®検定・デジタル色彩士検定など色彩検定以外にも色々あるようです。
LYZONでは製薬・病院系に関わるお仕事も携わっているので個人的には「色彩福祉®検定」も気になっています。
調べ進めると色彩検定よりも他の検定の方がWebデザインに関係ありそう。どれを受験しようかだいぶ悩みました。。
結果的には、知名度の高さから「色彩検定2級」を受験することに決めます。
3級は学生の頃に取っていたので今回は2級からのチャレンジです。
色彩検定を前回受けたのは2018年の夏。調べてみると2020年に試験内容が改定されていました。
引用:「色彩検定 」 公式テキストを全面改訂|公益社団法人 色彩検定協会のプレスリリース
公益社団法人 色彩検定協会(所在地・大阪市淀川区、理事⻑・山中喜代)は「色彩検定」の公式テキストを2019年12月に<3級編・2級編>、2020年2月に<1級編>を全面改訂いたしました。2020年からは改訂版テキストに準拠した試験内容になりますが、移行措置として<3級・2級>は2020年夏期検定まで、<1級>は2020年冬期検定まで、旧テキストでも対応が可能となります。
以前はなかった「UC級」というものも2018年の冬期から新設されていますね。概要を見ると「色のユニバーサルデザイン」についてらしいです。色覚のタイプによる色の見え方の違いや高齢者の見え方などWebデザインの業務に役立ちそうな知識が増えています、、!
ネットで難易度を調べると、3級と同じくらいかそれよりも簡単だそうで2級と併願をすることに。
自ら勉強範囲を増やすなんて自分で首をしめていないか若干心配。。。落ちたら自費になるので頑張ろう。。
色彩検定で学べる範囲
色彩検定の範囲は幅広い
こうしてみると色彩検定の範囲結構幅広いですね。学生の頃だったら1か月あればいけそうですが今は普通に無理です。
平日5日間仕事してるぶん社会人は勉強する時間がない、、、気が向いたら勉強するでは圧倒的に時間が足りません。
試験勉強をしなければいけない事実がじわじわと嫌になってきたので、どれだけ自分の中で勉強に対してハードルを低くできるか考えました。
本を開いて勉強することに抵抗があったので、最初は動画を使って勉強を始めることに。
勉強の方法はざっくり下記のような感じです。
仕事が忙しい時期でも続けられるように、心がけたことが下記の4つ。
無理して体調崩して仕事に支障をきたしたら本末転倒です。
- 無理して平日詰め込んで勉強しない。仕事に支障をきたさないレベルで。
- 睡眠を削って勉強しない。
- 暗記は脳がまだ元気な午前中にする。
- 知らない用語はまず学習動画で聞き馴染んでから覚えようとする。
勉強するために使ったのは、この5つほど。
- Udemyで色彩検定2級の動画視聴(有料)
- YouTubeで色彩検定2級・UC級の動画視聴
- 色彩検定2級・3級のテキスト&問題集
- 色彩検定UC級のテキスト(公式)
- 色彩検定2級・UC級の過去問(公式)
動画だと会社から自宅までの移動時間に勉強できるので、テキストが開けないような状態でも勉強時間が作れて良かったです。家で家事をしてる最中やお昼ご飯を食べてるときもずっと流し聞きしてました。
受験してみて思ったこと
3か月くらい前からゆるゆると勉強し始めて、無事2級とUC級の試験に合格しました!
さすがに試験1週間前と前日はゆるくなく詰め込んで勉強しましたが、なんとか両方合格できてひとまず安心です。
2級を勉強してからUC級の勉強をすると、UC級の勉強では2級の内容と重なる部分もあったため効率的な学習ができました。
2級とUC級の併願は個人的におすすめです!
仕事として活かせたこと
さて、記事の本題がこちらですね。
資格の勉強をしている途中でも、すぐ色彩検定を勉強して得た知識を仕事に活かすことができました!
具体的に現時点では下記の3つ。今後仕事をする中で実例はもっと増えそうです。
- サムネ作成のガイドライン
- ユーザビリティを配慮したデザイン提案
- 正しい意味を理解してデザイン用語が使える
①サムネ作成のガイドライン
私たちの会社LYZONは、WebDXを推進するための総合メディアサイト「SOPRA」を運営しています。
WebDXを推進するための総合メディアサイト「SOPRA」
サイト内の記事に使用されるサムネの画像のデザインテイストを統一化させるために、サムネ用のガイドラインを作成しました。
色彩検定で学んだ「ヒュートーンシステム」がデザイナー間の共通認識のために活かされています。
ちなみに、「ヒュートーンシステム」とは、色相とトーンをイメージごとに組み合わせて表示する方法のことです。
ガイドラインの一部が下記の画像2枚。
「SOPRA」のサムネは、明度は高めで彩度は高すぎず、見やすさを大切にしてデザインされています。
これから複数のデザイナーがサムネを作ることになるので、こうした分かりやすい基準があると、サイトの雰囲気を一貫して保つことができます。
②ユーザビリティを配慮したデザイン提案
デザインを考える際、カラーやコントラストはとても大事なポイント。
誰がサイトを見てもわかりやすくするために、色覚異常の人も考慮して配慮したデザインや適切なコントラストを取る必要があります。
UC級では、色覚異常の人々の見え方や高齢者の視覚特性について学べます。
例えば、色覚異常には4つのタイプがあります。
その中でも1型色覚・2型色覚の人は、「赤み」が弱く感じるため、暗い色に見えてしまいます。
その結果、暗めの背景に赤い文字を使うと読みづらくなってしまうので、
- 背景と文字に明度さをつける
- 赤をオレンジよりの色相にする
上記の配慮が必要です。
こうした知識があると、デザイン提案の際にユーザビリティをしっかりと考えることができます。
③正しい意味を理解してデザイン用語を使う
デザインを説明するときに、適切な言葉を使って自分の考えを相手に伝えることが大事です。
色彩検定では、「誘目性」「視認性」「可読/明視性」「識別性」などの用語が出てきます。
例えば、
before:「ここの文字の色を赤にすることで目立ちやすくなります」
↓
after:「ここの文字の色を赤にすることで誘目性が高くなり目立ちやすくなります」
後者では「誘目性が高い」という理由が足されることで説得力が増します。
ちょっとした変化ですが、言葉を理解して適切な用語を使うことで仕事の質が向上します。
日常生活でも活かせたことが
もちろん仕事に限らず、日常生活でも色彩検定の内容が役立ちます。
それはインテリアデザイン面です。空間における配色構成を学ぶことができるので、自宅の家具選びの際にとても参考になりました!
部屋の配色にはきれいにまとまる配色の法則があります。
- ベースカラー・・・床、壁、天井(全体の約70%)
- アソートカラー・・・ソファ、カーテン、ドア(全体の約25%)
※面積によって区分は変わります - アクセントカラー・・・絵画、クッション(全体の約5%)
さいごに
今回は2級とUC級を受けてみましたが、他にも魅力的な資格がたくさんあるので、今後も勉強を続けて業務で活用していこうと思います!
社会人になってからの試験勉強は結構大変だと思いますが、自分への投資だと思って頑張っていかないとですね。
また何かの資格にチャレンジしたらブログに書き留めようと思います。
色彩検定関連だとこの記事とは別で、UC級を勉強して身に着いた知識をアクセシビリティ対応にどう活かしていくのかまとめた記事アクセシビリティを向上させる色の知識も書いています。
2020年入社。
フロントエンドも強くなりたいWebデザイナー。
主にWebページの修正やバナー制作を担当。特撮が好き。