環境確認ツールでできること・できないこと-Webサイトのエラー解決における限界-

カルチャー
2023.04.04
岡村
Webディレクター

Webディレクターの岡村です。

お客様からWebサイトのエラーを報告頂くとき、一時受け対応として利用環境の確認をすることがあります。 その際に、下記のような環境チェックツールを利用すると便利です。

「ご利用環境チェックツール」
http://mysys-check.com/

このような環境確認ツールは、Webブラウザ上で実行されるJavaScriptによって自身の環境の状態を確認することができます。しかし、このようなツールで特定できる問題には限界があり、解決することが難しい場合があります。

本記事では、環境確認ツールでできることとできないことについて解説します。

目次

    環境確認ツールでできること

    一般的に環境確認ツールは下記の情報を提供できます。

    • ブラウザの情報
      ユーザーが利用しているWebブラウザのバージョン、種類、オペレーティングシステムなどの情報を取得することができます。
    • プラグインや拡張機能の有無
      WebサイトやWebアプリケーションに必要なプラグインや拡張機能がインストールされているかどうかを確認することができます。
    • CookieやJavaScriptの有効性
      WebサイトやWebアプリケーションが正常に動作するために必要なCookieやJavaScriptが有効になっているかどうかを確認することができます。
    • ポート番号やネットワーク接続の情報
      WebサイトやWebアプリケーションに必要なポート番号やネットワーク接続の情報を確認することができます。

    これらの情報を取得することで、ブラウザや画面幅が原因で引き起こる問題やホスト環境起因のよるネットワークの確認を簡単に行うことができます。

    しかし実際は、環境確認ツールだけで問題を解決することは難しいです。Webサイトの問題は様々な要因によって引き起こるため、環境確認ツールだけで取得できる情報だけでは解決できない場合がほとんどだからです。

    環境確認ツールでできないこと

    環境確認ツールの利用には下記の問題があります。

    • ツール自体が信頼できない
      環境確認ツールが提供する情報が正確であるかどうかは、ツール自体が信頼できるかどうかに依存します。信頼できない環境確認ツールを使用すると、正しい情報を得られない可能性があります。
    • 情報を提供する際に、プライバシーの問題が発生する
      特定のユーザーのみにエラーが発生している場合、管理者はアクセスログを確認して、問題が発生した時刻やリクエストの種類などから原因を特定することができます。
      しかし、IPアドレスは個人を特定する情報であるため、一般ユーザーが対象の場合、プライバシー保護の観点から情報の取得ができない場合があります。逆にIPアドレスから特定の個人を特定することはできないため、問題の原因を特定するためには、より詳細な情報が必要になる場合があります。

    結論

    環境確認ツールを用いてWebサイトのエラーを特定する場合は、限界を認識することが重要です。環境確認ツールができることとできないことを理解し、解決できる問題とそうでない問題を切り分けることが必要です。

    問題の原因が特定できない場合は、Webサイトの運営者や開発者に問い合わせましょう。