データ活用
CDPは入れた。でも、パーソナライズ・レコメンドがうまくいかない ──「データ活用」30年の闇と、今こそ踏み出すべき理由
CDPやDWHを導入したものの、活用フェーズで足踏みしていませんか?実は、多くの企業がデータを「貯める」だけで止まってしまう課題を抱えています。
本記事では、AIを活用してパーソナライズ・レコメンドを成功させ、売上につなげるための突破口を解説します。
目次
「IT市場の闇」──30年間、データ活用は失敗し続けてきた
「CDPは導入した。でも、正直なところカスタマイズされたレコメンドはできていない」これは、多くの企業が直面している現実です。
Treasure Dataや、SnowflakeといったCDPやDWHを導入する企業は年々増えています。
特に企業規模が大きくなるほど、「データを活用してLTV(顧客生涯価値)を最大化したい」という意向は強くなります。
しかし、データを「貯める」ところまではできても、その先の「活用」で止まっているケースがほとんど。
これは、POS(販売時点情報管理)データの時代から続く、IT業界の永遠の課題です。
Webの普及により、アクセス解析や属性データなど、取得できる情報は爆発的に増えました。それでも、CDPやDWHを用意するだけでは不十分。
多くの企業が「貯める」フェーズで息切れし、売上や顧客満足度の向上につなげられていないのが現状です。
なぜ、「貯める」で止まってしまうのか?
データ活用は本来、「貯める」→「分析する」→「アクションする」というステップで進むべきもの。しかし、多くの企業が「貯める」で止まってしまうのには、明確な2つのボトルネックがあります。
- データ分析ができる人材(データアナリスト)の不足
- レコメンドに必要なコンテンツを生成できない
「この人にはこれをおすすめすべき」と分かっても、そのための文言やコンテンツを作るには膨大な工数がかかります。今までは、ここを突破するリソースが足りなかったのです。
AIの登場が、すべての前提を変える
しかし、今こそが「貯める」から「分析・アクション」へ踏み出す絶好のタイミングです。理由はAIの登場です。
これまで人間に依存していた分析や、ボトルネックだった「レコメンド文言の生成」を、AIが補えるようになりました。30年間できなかったことが、テクノロジーの進化によって、今ようやく実現可能になったのです。
AIを使って、どう具体的な「アクション」に繋げるのか
では、AIを活用してどのようなアクションを起こすべきなのでしょうか。結論から言うと、意味のあるセグメントに対して、適切にレコメンドをする事です。
意味のあるセグメントについては、以下の記事にて紹介しております。
→ペルソナ・カスタマージャーニーは、もう限界じゃないですか?─現代マーケティングの考え方
今回は意味のあるセグメントに、どういう視点で、アプローチすべきかを紹介します。
信頼と価格の最適解を見極め、ダイナミックプライシングに基づいた訴求を行う
一つは、適切なタイミングでの値引き、つまりダイナミックプライシングです。
ホテルや航空業界が行っているように、需要と供給に合わせて価格を変えることで、売上を最大化できます。
ただし、「安くすればいい」という話ではありません。顧客の中には、「価格」で選ぶ人もいれば、「信頼」や「体験」に価値を感じる人もいます。
例えば、私は電化製品を買う際、通販サイトの方が安くてもヨドバシカメラで購入します。過去に通販サイトで失敗した経験があり、ヨドバシカメラには「信頼」があるからです。
価格が2倍でも私はヨドバシを選びます。
このように「価格以外」に価値を感じているロイヤルカスタマーに、無差別な値下げは不要です。一方で、新規顧客にはクーポンで呼び込むなど、ロイヤリティに応じた価格設計が重要です。
マルチチャネル化の進展を踏まえ、既存の枠組みに縛られない運用体制を構築。複数アカウントを活用し、セグメント別に最適化されたアプローチを行う
もう一つの重要な視点は、マルチチャネルへの展開です。
現代は、テレビ、SNS、アプリなど顧客との接点が無数に広がっています。
単にチャネルを増やすだけでは不十分です。たとえばX(旧Twitter)運用では、1つのアカウントに固執せず、複数の“人格”を持ったアカウントを運用するという考え方もあります。
顧客との相性は「人格」によって変わります。その顧客に最適化されたトーンやスタイルのアカウントとマッチングさせることで、接点の質は劇的に向上します。
今こそ、「導入しただけ」を終わらせる時
CDPやDWHに投資したコストは、決して安くはありません。それを「貯める場所」のまま終わらせるのか、それとも競争優位を築くための「武器」に変えるのか。
他社がまだ「貯める」で苦戦している今だからこそ、ここを突破できれば圧倒的な差別化になります。
私たちは、これまで「貯める」フェーズで止まっていた企業が、AIを活用して「分析」と「アクション」に進むための支援を行っています。単なるツールの導入ではなく、顧客との関係を深め、売上につなげるための伴走をいたします。
30年の課題を解決し、次の一歩を踏み出すのは「今」です。
まとめ
データ活用において最も重要なのは、「貯める」フェーズで止まらず、その先の「分析・アクション」まで確実に進めることです。長年の課題であった人材不足やコンテンツ生成の壁は、AIの登場によって解消されつつあります。
今後は一律の値引きではなく、顧客の「信頼」と「価格感度」を見極めたダイナミックプライシングや、マルチチャネル時代における最適な「人格」や「接点」でのマッチングなど、AIを活用した戦略的なアクションこそが、企業の売上を最大化する鍵となるでしょう。